「傾聴」「承認」「質問」を「学習成果」に直結させる！プロが実践する受験コーチング実践トレーニング

2025年11月21日

コーチングの基本スキルとして「傾聴」「承認」「質問」の重要性は、誰もが学んでいることでしょう。　

しかし

スキルは学んだはずなのに、なぜか生徒の学習成果（成績アップ・志望校合格）に直結しない…

そんな壁に突き当たっていませんか？

「傾聴」が、生徒の愚痴を聞くだけの「悩み聞き」で終わっていませんか？
「承認」が、表面的な「ヨイショ」になり、生徒の次の行動変容につながっていませんか？
「質問」が、生徒を追い詰める「尋問」になり、かえって「やる気」を奪っていませんか？

もし一つでも当てはまるなら、それはスキルを「知っている」だけで、「使いこなせていない」サインかもしれません。

この記事では、私たち受験コーチングのプロが現場で実践している、コーチングの3大スキルを単なるテクニックで終わらせず、「具体的な学習成果」に変えるための「実践トレーニング方法」を、NG例との対比も交えながら徹底解説します。

スキルを「知っている」レベルから、生徒の未来を変える「成果を出せる」レベルへと引き上げましょう。

なぜ、あなたの「傾聴・承認・質問」は学習成果に繋がらないのか？

コーチングを実践しているにも関わらず成果が出ない背景には、多くの場合、スキル適用の「目的」がズレていることがあります。受験コーチングの目的は、生徒の「学習成果」を最大化することです。

よくある失敗(1)：学習課題を特定できない「傾聴」

生徒が「なんとなく不安だ」「英語が苦手だ」と話した時、それをそのまま受け止めて「そっか、不安なんだね」と共感するだけで終わっていませんか？それでは生徒のガス抜きにはなっても、成績は1点も上がりません。「傾聴」の目的は、その不安や苦手の「本質的な原因（例：長文読解の時間が足りないのか、単語力が不足しているのか）」を特定することにあります。

よくある失敗(2)：行動変容を促せない「承認」

テストの点数が上がった時に「すごいね！」「頑張ったね！」と声をかける。これは大切ですが、それだけでは「次も頑張ろう」という持続的なモチベーションには繋がりにくいのです。成果が出た時だけの「結果承認」ばかりでは、生徒は「結果が出なかった自分」を認められなくなってしまいます。

よくある失敗(3)：生徒が自走しない「質問」

「なぜ、今週のタスクができなかったの？」「やるって言ったよね？」こうした過去志向の質問や、コーチが答えを知っている誘導尋問は、生徒の思考を停止させます。「どうすればできるか？」を生徒自身が考え、行動を選択する「自走」を促せていないのです。

「学習成果」に直結させる！プロが実践する3大スキル・トレーニング

ここからは、3大スキルを「学習成果」という目的に直結させるための、具体的な実践トレーニング法をご紹介します。

【実践トレーニング：傾聴編】生徒の「学習課題」と「本音」を掘り下げる傾聴術

学習成果に繋げる「傾聴」とは、生徒自身も気づいていない「学習のボトルネック」を特定する技術です。

NG例（浅い傾聴）： 「勉強で困ってることある？」「特にないです…」「疑問はありますか？」（クローズドクエスチョン）
OK例（深い傾聴）： 「なんとなく疑問に思ってることってありますか？」（オープンクエスチョン）「『英語が苦手』って言うけど、具体的にどの瞬間にそう感じる？（単語？文法？長文？）」
実践トレーニング：
1. 事実と感情の分離： 生徒が話したことを「事実（例：単語テストで5割だった）」と「感情（例：もうダメだと思った）」に分けて聞く癖をつけます。
2. 沈黙の活用： 生徒が言葉に詰まっても、すぐに助け舟を出さず「待つ」。生徒が自分の内面を掘り下げる時間を与えます。
3. 要約と確認： 「つまり、○○が課題だと感じている、ということで合ってる？」と要約し、認識のズレを防ぎます。

【実践トレーニング：承認編】生徒の「自己効力感」を高め、行動を定着させる承認術

学習成果に繋げる「承認」とは、生徒の「行動」と「プロセス」に焦点を当て、自己効力感（やればできるという感覚）を育てる技術です。

NG例（結果承認）： 「点数が上がってすごいね」（結果だけを褒める）
OK例（プロセス承認・Iメッセージ）： 「先週立てた計画通り、毎日30分単語を続けた事実がすごいね」「あなたが諦めずに課題に取り組む姿を見て、私自身も励まされます」（Iメッセージ）
実践トレーニング：
1. 小さな成功の可視化： 生徒と合意した行動（例：1日10個の英単語暗記）をチェックリスト化し、実行できた「事実」そのものを承認します。
2. プロセスを具体的に言語化： 「前回の模試の時より、時間配分を意識して解き方が工夫されているね」と、生徒が取った行動や工夫を具体的にフィードバックします。

【実践トレーニング：質問編】生徒自身に「解決策」を考えさせ、自走を促す質問術

学習成果に繋げる「質問」とは、生徒が自ら課題を発見し、解決策を考え、行動計画を立てるように導く「未来志向」の技術です。

NG例（過去志向・尋問）： 「なぜ宿題をやらなかったの？」「普通はこうするべきじゃない？」（コーチの答えの誘導）
OK例（未来志向・自走）： 「その課題をクリアするために、どうやって進めていきたい？」「（5W1Hで）いつ・どこで・何をすれば、その計画は実行できそう？」「もし来週までに完璧を目指すとしたら、何が障害になりそう？」
実践トレーニング：
1. 「Why」から「How / What」へ： 質問の主軸を「なぜ（過去）」から「どうやって（未来）」「なにを（具体策）」に変えることを意識します。
2. ロールプレイング： 仲間同士でコーチ役と生徒役になり、「宿題をやってこなかった生徒」などのシチュエーションで、NG質問を使わずにセッションを組み立てる練習を繰り返します。

事例紹介：実践トレーニングで生徒はこう変わった！

当協会のトレーニングを実践したコーチングでは、実際に多くの生徒が変容を遂げています。これらは「受験コーチング」の「効果」を示す貴重な事例です。

事例1：学習習慣が定着せず、成績が伸び悩んでいたA君

ビフォー： やる気はあるものの、計画倒れが続いていた。従来のコーチングでは「なぜ計画通りできないんだ？」と詰めてしまい、自己嫌悪に。
コーチの取り組み： 「傾聴」で「計画自体が完璧主義すぎていた」という本音を特定。「承認」を徹底し、完璧でなくても「実行した事実（例：計画の6割できた）」を承認。
アフター： スモールステップで学習習慣が定着。定期テスト前に「目標設定→課題の深掘り→行動計画の設定」というサイクルを自分で回せるようになり、苦手だった数学の成績が3ヶ月で偏差値8アップ。

事例2：自分の考えを話すのが苦手だったBさん

ビフォー： 模試の点数は取れるが、面接練習で自分の言葉が出てこない。
コーチの取り組み： 焦点を「学習成果」だけでなく、「自分の言葉で学びを整理する力」に設定。「質問」を繰り返し、「あなたはどう思う？」「それを別の言葉で言うと？」と内省を促した。
アフター： 自分の学習プロセスや将来の目標を、論理立てて説明できるようになった。単に暗記するのではなく、「なぜそうなるのか」を考える学習スタイルに変化し、自信を持って推薦入試に臨み、志望校合格。

※事例は、実際の事例をベースに少し加工しています